リフォーム基礎知識
外壁の補修方法
ALC外壁

特徴
形跡のように細かい穴のあいた気泡コンクリートのことで、コンクリートと同程度の強度を持ちながら重量は1/4程度に抑えられています。
耐火性、耐久性に大変優れた素材ですが、施工に使うコーキング部分や塗膜が先に劣化してしまうため、8年ほどで一度塗り直しやコーキングを考えた方が良いでしょう。
補修方法の例


・塗装
・防水塗装
・コーキング
RC構造
(鉄筋コンクリート)

特徴
耐久性や空間デザインの自由度にかけては随一の工法ですが、価格が高くなりがちなRC造。
適切な処理をしていない場合だと結露も発生しやすく、劣化の原因になります。
ひび割れを見つけたり、塗装の色あせを感じたら一度メンテナンスを考えましょう。
補修方法の例


・クリア塗装
・塗装(専用塗料)
・コーキング打ち
モルタル

特徴
かつては広く使用されていたモルタル壁ですが、施工の長期化やコスト面から最近はだんだんと少なくなっています。
色あせやひび割れ、表面に触れたときに指に粉が付く(チョーキング)などが現れたらメンテナンスが必要です。
補修方法の例

・塗装
・防水塗装
・コーキング打ち
・カバー工法(胴縁 → Kスパン等)
窯業系サイディング

特徴
セメント質と木片などの繊維質を混ぜ成形した素材で、さまざまな色や模様が選べます。
彫りの深い重厚感のあるデザインも得意ですが、重量があるためカバー工法にはあまり向いていません。
メンテナンス時期は塗料の質や日光の日当たり型などによって変わりますが、色あせやチョーキングを感じたら防水性が低下している状態です。
放っておくと壁材自体が水を吸って劣化が進行する可能性があります。
補修方法の例


・ビス、釘の打ち直し
・塗装、防水塗装
・コーキング打ち
・張替え
・カバー工法(金属サイディング材など)
金属系サイディング

特徴
ガルバリウム鋼板に代表される金属素材に、断熱材などを裏材として張り合わせた素材です。
軽くて施工性がよく耐久性もあるため、新築からリフォームまで広く利用されています。
金属素材ならではの耐久性と、デザインの自由度の高さが魅力的です。
金属部分以外の塗膜面や断熱材、周囲のコーキング部分などが先に劣化することも多く、定期的なチェックが必要です。
補修方法の例


・塗装、防水塗装
・コーキング打ち
・張替え
・カバー工法(金属サイディング材など)
トタン

特徴
波トタンや角波トタン、瓦棒トタンなどの種類があり、最近ではあまり住居の外壁として使われることは多くありませんが、カーポートや倉庫などの屋根外壁材としてはまだまだ現役で使われる素材です。
色あせや塗料のはげ、表面や固定ボルトの錆などが目立つようになってきたら早めのメンテナンスが必要です。
補修方法の例


・塗装(錆止め→ウレタンなど)
・張替え
・カバー工法
漆喰

特徴
防水性があり、不燃性で湿度を整える働きもある漆喰は、古くより城壁などにも使われてきました。
現在でも倉や本屋普請などで利用される他、室内の壁塗り材として利用する場合もあります。
漆喰はアルカリ性をもち、日本の高温多湿の中でもカビが生じにくいのも特徴です。
表面のひび割れやはがれを見つけたらメンテナンスを考えましょう。
補修方法の例


・コーキング
・上塗り
・カバー工法(胴縁→トタン等)
ジョリパット

特徴
下地のモルタルなどの上に塗る装飾性塗材で、コテ、吹き付け、ローラーと様々な施工ができます。
カラーも豊富で、独特の質感や模様を描くことができ、人気のある壁材です。
ジョリパット自体は耐久性の高い素材なのですが、下地のサイディング板の目地に沿ってひび割れたり、塗装を施してある場合は塗膜が色あせてくる場合もあります。
異変を感じたら一度専門家のチェックを受けましょう。
補修方法の例


・コーキング
・ジョリパットの上塗り
・塗装、防水塗装
・カバー工法
外壁の劣化状態
チョーキング

特徴
太陽光や風雨などにより塗膜が劣化し、色もあせて防水性が失われている状態です。
塗装面に触れると白い粉が付着して、水分が付着すると、吸水して一時的に元の色に戻ったように見えます。
放置すると外壁の葉枯れや下地の劣化に繋がってしまいます。

発生しやすい場所
・塗装壁全般
主な補修方法
・洗浄 → 塗装、防水塗装
・コーキング打ちなおし
・張り換え、カバー工法

ひび割れ(クラック)

特徴
モルタル壁にはつきもののひび割れも、程度の小さいものであれば、部分的な上塗りやコーキングで十分な防水効果が期待できます。
ただ、既に発生してしまった日々を放置すると、壁の内側に雨水などが浸入し、最悪の場合家屋の骨組み間でボロボロになってしまう危険性もあります。
ヒビを見つけたら、小さなものでも一度専門家の診断を受けることをお勧めします。

発生しやすい場所
・モルタル壁
・RC造
主な補修方法
・コーキング
・塗装、防水塗装
・カバー工法

コーキングの劣化

特徴
壁材と壁材の間を埋めるコーキング(シーリング)は、経年で劣化しやすい部分です。
コーキングが破れたりして隙間が開くと、雨水などが侵入しやすくなり、建物全体を劣化させる要因となります。
簡単な補修で済むうちは、素早い対策が必要です。

発生しやすい場所
・サイディングなどの継ぎ目
・窓枠周辺などのコーキング部
主な補修方法
・コーキングの上塗り
・コーキングの打ち直し
・塗装、防水塗装

壁材のはがれ、反り

特徴
塗装の防水効果が落ちてくると、壁材が水を吸って膨らんで反ってしまったり、重ねてある素材が剥がれ落ちたりと様々な不具合が発生してきます。
こうなると、塗装だけでは対処しきれない場合が増えてきます。
塗料の色あせやつやが無くなってきたと感じたらメンテナンスを考えましょう。

発生しやすい場所
・窯業系サイディング
・木質系サイディング
・しっくい壁等
主な補修方法
・カバー工法
・張替え

塗装の割れ、
剥げ、色あせ

特徴
雨や風、日光にさらされ続ける塗膜面は、どうしても定期的なメンテナンスが必要になります。
ひび割れや塗料の剥げも、小さなうちならコーキングで手直しするだけで間に合う場合もありますが、何もせずそのままにしておくと全体的な補修が必要になることもあります。
塗料の色あせを感じたら、メンテナンスを考えた方が良いでしょう。

発生しやすい場所
・塗装壁全般
主な補修方法
・塗装、防水塗装
・コーキング
・カバー工法

錆び、破れ

特徴
主にトタンなどの金属壁や、古くなったガス管、水道管などに発生し、放置しておくとアルミやステンレスなどの比較的錆に強い金属にまで錆が移ってしまうことがあります。
表面が錆ただけであれば、研磨後の塗装でもつ場合もありますが、内部まで進行した錆に関しては除去が難しく、塗装により錆の進行を遅らせるか、交換を考えた方が良いでしょう。

発生しやすい場所
・トタン、瓦棒などの金属壁
・ガス管などからのもらい錆
主な補修方法
・張替え
・錆除去、下地調整 → 塗装
・塗装、防水塗装、防錆塗装
