リフォーム基礎知識
塗装のアドバイス
メンテナンスのすすめ
外壁塗装のメンテナンスについて

外壁塗装は住宅の寿命を延ばすために重要なメンテナンスです!
塗装が剥がれると美観だけでなく、雨水や紫外線から建物を守る力が低下し、劣化が一気に進んでしまいます。
外壁塗装の寿命とメンテナンス時期
外壁塗装の耐用年数
・一般的な塗装の寿命
→ 10〜15年
・高耐久塗料
→ 15〜20年(フッ素・無機塗料など)
・住宅の平均寿命
→ 30年
15年に1回のペースで再塗装が必要
30年住む場合
→ 最低でも2回以上の塗り替えが必要
塗装を怠ると...
雨水や湿気が侵入
→ 建物内部が腐食
断熱・防水性能の低下
→ 室内の温度変化や雨漏り発生
美観が損なわれる
→ ひび割れや色あせ
修繕コスト増加
→ 外壁が劣化すると大規模修繕が必要に
外壁塗装の劣化サイン

チョーキング現象
外壁を触ったときに白い粉が手につく
紫外線や雨で塗膜が劣化したサイン

ひび割れ(クラック)
外壁に細かいひび割れが出ている
防水機能が低下し、雨漏りのリスク増

色あせ
紫外線や風雨の影響で色が薄くなる
防水効果・断熱効果の低下

塗膜の剥がれ・浮き
塗装が剥がれることで、外壁材にダメージ
早急な補修が必要
外壁塗装で重視すべきポイント
耐候性
→ 雨風・紫外線に強い塗料を選ぶ
防カビ・防藻性
→ 湿気の多い地域では必須
通気性
→ 外壁が湿気を逃がすことで劣化を防ぐ
汚れにくさ
→ 親水性(雨で汚れが落ちる)塗料が便利
外壁塗装の注意点
相見積もりをとる
→ 極端に安い業者には注意!手抜き工事の可能性
下地処理を怠らない
→ ひび割れや剥がれを補修しないと塗装が剥がれる
適切な塗装回数を守る
→ 基本は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗り
塗料の種類と特徴
各塗料の特徴まとめ
塗料の種類 | 特徴 | デメリット | 耐久性 | 価格帯 | おすすめポイント |
---|---|---|---|---|---|
アクリル塗料 |
値段が安い 定期的に塗り替えを楽しみたい方に最適 |
耐久性が低い 外壁を保護する効果が弱い |
3年~5年 | 安い | 初期費用を抑えたい場合 |
ウレタン塗料 | 価格と機能のバランスが良い |
耐久性が劣る 長期的な外観保持には不向き |
6年~8年 | やや安い | コストと効果のバランス重視 |
シリコン塗料 |
価格と機能のバランスが良い カラーバリエーションが豊富 |
耐久性は中程度 次の塗り替えが必要 |
8年~10年 | 中程度 | 最も人気のある塗料 |
フッ素塗料 |
最高レベルの耐久性 変退色や色褪せが少ない |
コストが高い 塗膜が硬いためひび割れしやすい |
12年~15年 | 高い | 耐久性重視 |
ピュア アクリル塗料 |
高耐久 高弾性で防水性に優れる |
コストが高い 冬場は施工に時間がかかる |
10年以上 | 高い | 防水性・耐久性を重視 |
光触媒塗料 |
太陽光と雨で汚れを落とす セルフクリーニング機能 |
コストが高い 日陰では効果が薄い |
10年以上 | 最高値 |
環境への配慮 メンテナンス負担が減少 |
塗料選びのポイント
コストを抑えたいなら
→ アクリル・ウレタン塗料
・初期費用を抑えつつ、定期的に塗り替え可能
耐久性とコストのバランス重視なら
→ シリコン塗料
・コストパフォーマンスが良く、10年近く持つので人気
長期耐久性・メンテナンス負担軽減なら
→ フッ素塗料
・施工費用は高いが、長期的に考えるとお得
防水+長寿命なら
→ ピュアアクリル塗料
・雨漏りや防水対策が必要な場合に最適
汚れ防止・メンテナンス不要を優先するなら
→ 光触媒塗料
・環境にやさしく、自己洗浄効果がある
塗料選びの具体例
30坪の家を塗装する場合
塗料 | 価格 |
---|---|
アクリル塗料 | 50万円〜70万円 |
ウレタン塗料 | 60万円〜80万円 |
シリコン塗料 | 70万円〜100万円 |
フッ素塗料 | 100万円〜150万円 |
ピュアアクリル塗料 | 110万円〜160万円 |
光触媒塗料 | 120万円〜170万円 |
ポイント
費用対効果を考えると「シリコン塗料」が最も人気!
メンテナンス頻度を抑えたい場合は「フッ素塗料」「光触媒塗料」がオススメ!
塗料選びの注意点
外壁材との相性を確認
→ モルタルやサイディングなど素材に適した塗料を選ぶ
下地処理が重要
→ 塗料の性能を最大限に引き出すためには下地処理をしっかり行う
3回塗りが基本
→ 下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本
塗装メンテナンス費用の長期比較
長期的なメンテナンスコスト
「一回あたりのコスト」だけでなく、長期的なメンテナンス費用を考えることが重要です。
短期間で塗り替えが必要な塗料は、一見安く見えても最終的に高額になる可能性があります。
塗料の耐久年数と総コスト比較(60年間の場合)
塗料 | 耐久年数 | 1回あたりのコスト | 塗り替え回数(60年間) | 総額 |
---|---|---|---|---|
ウレタン塗料 | 7年 | 80万円 | 8回 | 640万円 |
シリコン塗料 | 10年 | 100万円 | 6回 | 600万円 |
フッ素塗料 | 15年 | 130万円 | 4回 | 520万円 |
長期的なコストを考えると、耐久性が高い塗料ほどお得!
ウレタン塗料は最初のコストが安いが、塗り替え回数が多くなるためトータルコストが高くなりがち
シリコン塗料はバランスが良く、費用対効果が高い
フッ素塗料は初期費用が高めでも、耐久性が高くメンテナンス回数が少ないため長期的には安くなる
塗り替え回数を減らすメリット
足場代
→ 塗り替えごとに発生(約20万円〜30万円)
職人の人件費
→ 工期が長くなるほど人件費がかかる
塗料以外のコスト
→ 付帯工事(下地処理・養生など)も塗り替え回数が多いと負担増
一回の塗り替えコストが高くても、耐久性の高い塗料を選べばトータルで節約になる可能性が高い
塗料のにおいについて
塗装の基本工程とにおいが発生するタイミング
養生 → 下塗り → 中塗り → 上塗り → 乾燥
それぞれの工程で塗料が乾燥する際ににおいが発生します。
塗装中は窓を閉め切るため、においが室内にこもりやすくなります。
においの強さ別|塗料の種類
塗料の種類 | においの強さ | 特徴 | 耐久性 | 乾燥時間 |
---|---|---|---|---|
油性(溶剤) | 強い | 耐久性が高く、仕上がりが美しい | 高い | 短い |
水性 | 弱い | においが少なく、環境に優しい | やや劣る | 長い |
においを抑えたおすすめ塗料
日本ペイント
「ハナコレクション」
特徴
・施工中にバラの香りが楽しめる
・塗装独特のツンとしたにおいが気にならない
・仕上がりが美しく、カラーバリエーション豊富
おすすめポイント
塗料のにおいが苦手な方に最適
日本ペイント
「オーデフレッシュ Si100Ⅲ」
特徴
・ホルムアルデヒドなどの有害物質を24種無配合
・化学物質が気になる方やアレルギー体質の方におすすめ
・耐久性があり、光沢感のある仕上がり
おすすめポイント
・お子様やペットがいる家庭に最適
においを抑えつつ耐久性を保つコツ
下塗り材や上塗り材も水性タイプを選ぶ
換気しながら作業する(可能ならサーキュレーター使用)
養生を丁寧に行う
→ においの広がりを抑える