外壁・屋根塗料について
建築塗料には、外壁・屋根・鉄部など様々な部位について、素材に応じた塗料があります。
その中で、アクリル樹脂塗料・ウレタン樹脂塗料・シリコン樹脂塗料・フッ素樹脂塗料など耐久性、コストに応じた様々な種類に分別されます。主として用いられる塗料は、以下の4種類ですが、以下にそれぞれの特徴を示します。
各種塗料の特徴と耐候性について
塗料別特徴のまとめ
塗料名 | 優れた点 | 寿命 |
---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 耐候性、耐酸、アルカリ性、耐水性、耐油性の優れるが、以下の3品目には劣る | 5年~7年 |
ウレタン樹脂塗料 | 光沢・耐候性が良好であり、一般に付着性・耐摩耗性・耐薬品性に優れる | 6年~8年 |
シリコン樹脂塗料 | 熱・光に強い特徴を持ち、耐候性が抜群に優れる | 8年~10年 |
フッ素樹脂塗料 | 樹脂の中で最も耐候性に優れるが、高価 | 12年~15年 |
塗料別当社実曝データ
※紫外線や雨などの影響を受け続けると、表層の塗膜が次第に破壊されていき、元の光沢が失われていきます。光沢保持率は、塗膜耐久性が目安となるものです。
耐久性について
アクリル樹脂塗料<ウレタン樹脂塗料<シリコン樹脂塗料<フッ素樹脂塗料
コスト面
アクリル樹脂塗料<ウレタン樹脂塗料<シリコン樹脂塗料<フッ素樹脂塗料
耐久性とコストの比例関係
『ライフサイクルコスト』
(※建物の耐用期間全体のメンテナンス費用を含めた総費用に大きく関わってきます。詳細は図1)
上の図は、各種塗料別のライフサイクルコストを50年間に渡って比較したものです。㎡単位の高いフッ素の順から、50年間に渡っての必要塗回数と塗り替え単価が高くなっています。従って、塗り替えコストが安く済む安価な塗料を選択すると、
耐久性が低いために必要塗回数が増え、トータルで見るとライフサイクルコストが高くついてしまう結果となります。
故に何十年もの間、定期的にメンテナンスが必要な外壁材や屋根材に耐久性の高い塗料を塗装してメンテナンスすることで、ライフサイクルコストを大幅に削減することが出来ます。
部位別塗装仕様について
外壁塗装仕様
現在の外壁塗り替え市場では、耐久面及びコスト面のトータル的な考慮から、『シリコン樹脂塗料』がメインとなっています。最近では、環境配慮の観点から、水性シリコン塗料が頻繁に使用されています。しかしながら、今現在の技術では溶剤系の塗料の方がトータル的な 面では優れています。従って、環境面・性能面どちらに重きを置くかによって塗装仕様は変わってきます。当社でご推奨してます 溶剤刑シリコン樹脂塗料『セラMシリコンⅡ』と水性系シリコン樹脂塗料『アクアシリコンACⅡ』の比較を行いました。
比較表の結果
- 1.セラMシリコンⅡとアクアシリコンACⅡは、耐候性については同等。
- 2.アクアシリコンACⅡは1液形水性塗料であり、2液形弱溶剤塗料のセラMシリコンⅡに比べ溶剤臭気がなく環境面に配慮しています。また、1液刑ですので塗装作業性に優れます。
- 3.セラMシリコンⅡは、アクアシリコンACⅡに比べ低汚染性に優れ、建物の美観を維持していくのに有利と言えます。
屋根塗装仕様
現在の屋根塗り替え市場では、外壁同様『シリコン樹脂塗料』がメインと名ていますが、屋根は外壁に比べ劣化条件が厳しい為、溶剤系塗料が頻繁に使用されています。 過去、屋根塗料は『合成樹脂塗料』や『アクリル樹脂塗料』等が多くを占めていましたが、図2のように、最近では大部分の塗り替え市場において『シリコン樹脂塗料』が一番良いとされています。
屋根の塗り替えにおいては、下塗塗料の選定が重要な要素のひとつとなります。特にと担当の金属屋根においては、水の影響を大きく受けやすい為、耐水性の高い『エポキシ樹脂塗料』の下塗りが良いとされています。過去、『合成樹脂塗料』や『アクリル樹脂塗料』が多く使用された時代には、『シアナミド鉛錆止』が一般的でしたが、『シリコン樹脂塗料』の様な耐久性の高い上塗りに、『エポキシ樹脂塗料』 のような防食性能の高い下塗りを選定しなければ、上塗りの耐久性といった性能を100%発揮することが出来なくなります。